近年、日本において食物アレルギーが増加している中、特に乳・卵アレルギーの方が急増しています。厚生労働省の統計によれば、過去10年間で乳・卵アレルギーの患者数は急増し、特に幼児期において発症するケースが目立ちます。この増加傾向は、遺伝的な要因や生活環境の変化、食習慣の変化などが影響していると考えられています。
乳アレルギーの方は「異名」に注意
特に注意が必要なのは、食品の成分表だけでなく、製品に潜む乳成分の異名も確認することです。乳アレルギーの人が見逃しがちなのは、化粧品やボディケア製品、薬品など、食品以外の製品にも乳成分が含まれていることです。特に「ホエイ」や「カゼイン」、そして「ラクトーゼ」などの異名に注意が必要です。
隠れた食品の乳成分とその異名
1. ホエイ(Whey)
ホエイは主に乳清から取られる成分で、プロテイン製品や一部の加工食品に使用されています。「乳清」と表記されている場合もあります。特にスポーツ栄養補助食品や一部のスナック菓子に含まれていることがあります。
2. カゼイン(Casein)
カゼインは牛乳のたんぱく質の一つで、チーズやヨーグルトなど様々な乳製品に含まれています。成分表に「カゼイン」や「乳蛋白」として表示されます。また、一部のプロセス食品やパン、シリアルにも使用されることがあります。
4. 乳化剤やバターの成分
乳化剤やバターの一部の成分にも乳成分が含まれています。食品の加工や製造において、これらの成分が使用されることがあります。ラベルをよく確認し、「乳化剤」や「バター」が含まれていないか確認しましょう。※全ての乳化剤が乳成分使用とは限りません。
5. 乳化油脂(Milk Fat)
乳成分が製品に含まれている可能性があるのが、乳化油脂です。これは主に乳製品の脂肪成分で、アイスクリームやチョコレートなどに使用されることがあります。成分表に「乳化油脂」や「ミルクファット」として表示されることがあります。
嬉しい代替品も・・
最近では、乳製品に代わる食品として、植物性やオーガニックな素材を使用した商品が増えています。大豆、アーモンド、オーツミルクなど、乳製品の代替品が多種多様にあります。これらの代替品は、アレルギーのある方々にとって嬉しい選択肢となっています。商品を選ぶ際には、成分表をよく確認し、自身に合った乳製品の代替品を選ぶことが重要です。